私の心の友・大澤正彦さんの2冊目の著書『じぶんの話をしよう』(PHP研究所)が5月に出版されました。とっても簡単に要約すると、自己紹介って大事だよね!ってことが書いてある本です。
とはいえ、「自己紹介って何言っていいのかわからない…」「人と話すのは苦手…」だと感じている方もいらっしゃるでしょう。
しかし!『じぶんの話をしよう』を読めば、人前で喋るのが苦手な人や自分のことが良く分からない人でも「いつでもどこでも」自己紹介をできるようになります。
心理学科出身のドラえもんオタクでWebライターという属性盛りもりの私だから感じたことをツラツラと書いていくので、気になったらぜひ手に取ってみてください!
イェーイ!著者の大澤先生は私の心の友
そもそも、どうして私が『じぶんの話をしよう』のレビューを書いているのかというと、大澤先生が私の心の友だからです。
「心の友」と聞くと、ジャイアンが思い浮かびますよね?
それもそのはず!我々は「ドラえもん仲間」なのです!
私から大澤先生にコンタクトを取ったのがきっかけ
2024年1月某日。私は、大澤先生のインタビュー記事をネットで見つけました。
ドラえもんの最新情報を追いかけるために、収集しているデータに引っかかったのがきっかけです。
その記事では、大澤先生が「ドラえもんをつくる」研究の協力者を募集していました。記事を読んだ時点では、「ドラえもんのネームバリューを利用した売名では?」という疑いもありました。
そこで、大澤先生のX(旧:Twitter)を見てみたところ、ヘッダーが「ドラえもん展」でしか撮れない写真だったことで、私の心のハードルが激下がり。
「どうやらガチらしいぞ…?」と気づいたので、研究に協力しよう!というフェーズに切り替わりました。
行動力の化身な私は、迷わず連絡することを決意。連絡先がわからなくてちょっともたついたものの、無事にコンタクトに成功し、日本大学文理学部にお邪魔することになりました。
大澤先生とコンタクトを取りたいときは、こちらの「大澤研究室HP」から問い合わせできます!
連絡から1週間くらいで日本大学文理学部へ!
手土産を家に忘れていく凡ミスを犯しながら、初めて訪れる日大に感動し、先生と対面。
最初は大澤先生の研究の話を聞こうかなと思っていました。しかし、先生的にはオタクとしかできない「解像度爆高ドラトーク」の方が貴重ということだったので、全力でドラトークを楽しんだわけです。
最寄り駅のコンビニで買ったメモ帳なんてクソの役にも立たないくらい、ひたすらドラえもんの話を楽しみました!
やっぱり太陽王伝説は最高だぜ!
印象的だった「誰でもドラえもんを好きっていっていい」話
そんな先生との話の中で印象的だったのは、「誰でもドラえもんを好きっていっていい」という話でした。
ドラえもんは、連載開始から50年以上経過している作品です。つまり、50年以上ファンの人もいるわけです。そういう長寿ジャンルというのは、新規参入のハードルが高く、「こんなことも知らないの?」と、古参ファンに邪見にされてしまうこともあります。
しかし、ドラえもんは誰でも好きでいていい作品なんですよね。
だって、長生きしている人にここから「好き度」で勝つなんて、ほとんど無理でしょう。それに、古参が偉いわけではなく、ただ歳取っただけのオタクなわけで。
「好き度」で比較して、他の人より自分の好き度は低いから好きだと名乗ってはいけないなんて、とっても不毛な考え方です。
だから、別にドラえもんに詳しくなくても、正しい知識を持ってなくても「好き」っていっていいんですよ。
丸いから好き、鼻が赤いから好き、自分もネズミが嫌いだから好き。好きな理由なんてなんでもいいと思うんです。
「自分なんてドラえもんのこと詳しくないから…」と思ってオタクだと名乗れない人も含めて、抱き締めてあげたいよね。そんな話をしました。
ちなみに、話した当時は勝手に記事にしていいのか分からず、めちゃくちゃ抽象的に楽しかった~!というブログを書きました。
こちらの記事で色々書いているので、興味があれば一緒に読んでみてもらえるとうれしいです。
(今も許可は取ってないけれど、きっといいだろう!マブいしな!と思って勝手に公開します)
自己紹介は自分の深掘りの上にある
ここからやっとレビューに入っていきます。
大澤先生いわく、自己紹介とは「自分自身のことを深掘りした上にあるもの」だそうです。つまり、自分のことが良く分かっていないとうまくできない可能性が高いということです。
現代社会を生きる日本人の中で、自分のことが完璧に分かっているという人はほとんどいないでしょう。
実際、私も自己紹介が苦手で早口で情報を羅列して乗り切ることがよくありました。
特に、思春期のころは「個(アイデンティティ)」が確立されておらず、ブレまくっていた気がします。
とはいえ、思い返してみると「ドラえもん」以外の軸はほぼなかったので、至極シンプルな人間だったのかもしれません。
私は、「龍が如く」や「メギド72」など、ドラえもん以外の好きなものがたくさんあります。でも、芯にあるのが「ドラえもん」から変わったことは、人生で一度もありません。
学生のころに「どうして私はドラえもんが好きなんだろう?」と立ち返ってみると、その気持ちの根底にあるのが「太陽王伝説」ののび太の言動だったことに気づき、「私の軸はドラえもんなんだな」と理解できました。
「どうしてだろう?」「何でなんだろう?」と、連想ゲームのように少しずつ手繰り寄せて自分を深掘りし、自分の芯となるものを探すと自分らしい自己紹介に繋げられるのかもしれませんね。
好きなものは好きだといおう
好きなものは好きだとということが『じぶんの話をしよう』の中で、「1番大切なことなんじゃないかなあ」と思った部分です。
好きなものを好きっていうと、勝手に向こうから寄ってくるようになるんです。
たとえば、「グミが好き」といっている人と出会って、おいしそうなグミを見かけたら「教えてあげようかな」「買っていってあげようかな」と思いますよね。
実際に、私は誕生日プレゼントに数々のドラえもんグッズをもらいました。ヴィレッジヴァンガードにあるドラえもんのゼリー入り貯金箱(?)を何度もらったか、途中から数えるのをやめたほどです。
こんな風に「好き」っていうだけで、自分に対するプラスの引力が生まれるので、いわないよりいった方が圧倒的にお得だと思います。
自己紹介は自分のキーワードを覚えてもらえる「呪い」の一種
そもそも、88ページで先生もいっていたとおり、自己紹介は一種の「呪い」です。
大澤先生と全く同じなのでn番煎じですが、サビみたいなものなので何度でも読んでください。
私や大澤先生の自己紹介には、必ず「ドラえもん」というキーワードが入っています。我々の目指す目的は違えども、ドラえもんが好きであることは共通だからです。
つまり、私たちは、「ドラえもん」というキーワードで人に覚えてもらえます。これがどんな呪いになるのかというと、私たちから自己紹介された人は今後さまざまなところで「ドラえもんを見かけると自然に私たちのことも思い出すようになる」という呪いです。
実際、私は新しく知り合った人の多くに、「あそこでドラえもん見ました」「こんな商品見かけました」と連絡をもらいます。
大澤先生も同じで、「ドラえもんの情報が色々な人から送られてくるようになってうれしい」と著書に書かれています。
こんなハッピーな呪いをかけられるのだから、自己紹介ってできればできるほどお得ですよね。
自分にとって有益な「何か」に繋げるためのチャンスとして、自己紹介は有効なツールといえます。
結構出てくる心理学要素
大学生当時に勉強した内容はほとんど覚えていませんが、それでもいくつか聞き覚えのある心理学要素が出てきたのが印象的でした。
具体的には、以下のような要素です。
- 単純接触効果
- 認知バイアス
- 認知的不協和の解消
認知心理学で勉強したような気がします。私の専門は児童心理学だったので、すべてを短期記憶に叩き込んだ思い出があります。5つ目のわざを覚えるポケモンのように、勉強した内容はきれいさっぱり忘れました。
ちなみに、私が1番好きな心理学ワードは「セルフハンディキャッピング」です。
こんな私でも、聞き覚えがあるのが上記の3つです。
英語の単語帳で、章ごとに1ページ目の1番目に乗っている英単語だけは覚えられるあれとか、高い橋の上で告白すれば成功しやすいあれとかのことですね!
自己紹介にも密接に心理学が関わってるんだなあ、と思って関心しました。
結構出てくるマーケティング要素
自己紹介をする上での目標を決めるターンで出てきたのが「マーケティング要素」です。
具体的にいうと、以下のような要素です。
- OKR
- KPI
- KGI
- PREP法
PREPはライティングの型の一種なので、ガッツリWebライターとしての知識ですね。OKR・KPI・KGIというのは、マーケティングにおける目標設定で使う考え方みたいなものです。
ちょっと難しい部分かなと思うので、詳しく知りたい方は『じぶんの話をしよう』を読んでみましょう。(丸投げ)
AIの研究者の著書なのに、マーケや心理の情報がたくさん登場するのが面白いポイントだなと思います。それだけ、さまざまな視点から自己紹介をアプローチしている本になっています。
結論:自己紹介が苦手な人は『じぶんの話をしよう』を読もう
もう見出しのとおりで、『じぶんの話をしよう』は自己紹介が苦手な人におすすめな一冊です。
具体的な自己紹介の作り方まで載っているので、まずは読んでみるのがいいんじゃないかなと思います。
そもそも、私はコミュニケーション強者にカテゴライズされるタイプの「いくらでも口が回る人間」なので、この本のターゲットではありません。
8年ぶりに会った友だちとだって、昨日も会っていたかのように話せます。
こんな私が自己紹介や人前での会話に物怖じしないのは、「自分を深掘り」できているからです。絶対にブレない軸があるから、自己紹介に困ることはありません。
だからこそ、自己紹介が苦手な人は、まず自分の深掘りからはじめてみるのがおすすめです。深掘りのためのワークも紹介されているので、自己分析の1歩目として大澤先生の『じぶんの話をしよう』を読んでみてください!
コメント